お茶の在来種

 
 今より1200年の昔、比叡山の開祖最澄が、唐より持ち帰った茶の種子を、当地、比叡山麓、坂本の地に播きました。
湖国から広がった日本茶文化の始まりです。
 以来、茶は、実(在来種)を播くことで伝わり広がってきましたが、明治時代に静岡で「やぶきた」という新しい品種が発見されました。 この 「やぶきた」は、「在来種」より収穫量が多く、機械による摘み取りや加工がしやすく、甘みがあり、水色は緑が強いという優れた特性を持っていました。その後この優良性が認められ徐々に作付け面積が増えていましたが、昭和30〜40年代、全国の茶生産地に取り入れられ急激に普及しました。現在、日本茶のほとんど(90%以上)はこの「やぶきた」で占められています。
 さて、このように全国のほとんどの茶園の品種が「やぶきた」に変わり、私達は茶が伝来して以来数百年間、日本人が味わってきた「在来種」の味がどのようなものであったのか忘れてしまいました。
 しかし香りは「在来種」の方が断然強く、自然で力強く、素朴で、すっきりとした野性的な風味は、私たち日本人の心の奥にあるなつかしい古里を想い起こし、なにかほっとするやすらぎを覚えさせてくれます。これは「やぶきた」には望めないものです。


では、ぺりーさんの飲んだ当地膳所のお茶はどのようなお茶だったのでしょう。

1.
来航時期は江戸末期、品種は当然この「在来種」に違いありません。
2.
重要な接待だったので、種類は玉露と考えられます。
3. 肥料は当然有機肥料。
4. 農薬も当然無農薬。
『1.に付いての再現方法』
 お茶の品種は同じものでも地方によって特色が違うのと同じように、在来種もいわゆる雑種ですから特に強い個性が認められます。 当地に茶園が残っていれば問題はないのですが、現在の膳所は市街地化され茶園が残っていません。それでも、茶園の跡や畑の垣根に少しはあるのですが、商品化するほどの量はのぞめません。そこで地続きの朝宮で「在来種」をさがしましたところ、量は少しですが作っていてくださる農家がありました。詳細に吟味しましたところ、特徴も膳所のお茶と変わりありませんでした。
 また、朝宮と当地も、最澄が唐から持ち帰った茶の種子を植えた比叡山麓の坂本と同一地域にあることから、この在来種は同じ品種であると推察されます。

『2.に付いての再現方法』
 当時の玉露は、現在ほど製造技術が進んでいなかったので、現在の、かぶせ茶(摘採前、1〜2週間茶園に覆いをかけて遮光することで渋みが少なくコクがあり旨みが増したお茶)が同程度だろうと考えられます。
『3.に付いての再現方法』
 肥料は、油粕、魚粉、堆肥、など昔ながらのものを使用し科学肥料は使用して いません。
『4.に付いての再現方法』
 完全無農薬はどうしても無理でしたので、最低限の使用にしました。
今回、このような条件のもとで作りました朝宮産「在来種」を再興ぜ〃茶として商品化しました。
香りの強い、なつかしい味が昔に連れ戻してくれるようです。
ぜひ一度味わってみて下さい。

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膳所茶の茶園(信楽町朝宮で契約栽培)

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